2012年08月21日
第3回 「イベントと出会い」
皆さんこんにちは。Bonjour!(ボンジュール!)
今日はもうひとつ簡単なフランス語。「元気?」というのはフランス語で「ça va?」といいます。「サヴァ?」という発音。
知り合いに会うと必ず、「Bonjour ,ça va?」と尋ねます。元気なら「Oui,ça va!」(ウィ、サヴァ)と返しましょう。相手にも「あなたも元気?」と聞くことをお忘れなく。フランス人には会話のキャッチボールを楽しむ文化があるのです。
あいさつの話題ついでに、、、
皆さん、フランスに旅行に行かれたことはありますか?
フランスでは、お店に入ったら「Bonjour」とお店の人に挨拶します。何も言わずに入ってくる日本人は少し気味が悪いみたい。おシャレなお洋服屋さんだけでなく、たとえタバコ屋や郵便局、スーパーでも同じです。列に並んで自分の番が来たら、まず「Bonjour」と言いましょう。そして用が済んだら、「Merci!」(メルシー:ありがとう)「Au revoir!」 (オヴァー:さようなら)を忘れなく。日本ではスーパーのレジなどでは何も挨拶をしないのが普通でしょうね。私はこのフランスの挨拶の文化が大好きです。すごく人間らしいと思いませんか?(フランスのレジのおばさんはたいてい愛想がなくちょっとムっとしますけど…)
さて、前回は私のフランス留学について書かせていただきました。
私が静岡で『エクラタン』を創刊した話もさせていただきました。
今回は、エクラタン創刊号発行以降のお話です。
創刊して、読者さんから結構なリアクションがありました。
そんな中、実際に皆さんにお会いしたいなとも思うようになりました。
そこで、イベントを開催。『ムニュの会』と題し、フランスの珍しい、本場の食材を皆で食べようという企画をしました。フランス好きのお友達に手伝ってもらって。「ムニュ」とはフランス語でコースメニューのこと。簡単なコースでは、前菜、メイン、チーズ、デザートという順ですね。
第一回ムニュの会は、「前菜」の回。浜松と静岡で開催しました。季節が春だったので、フランスの春の様子を紹介しながら、ホワイトアスパラを食べました。今となっては国産でもホワイトアスパラが出回っていますが、当時(10年前)はまだ、ホワイトアスパラといえば缶詰の細くてやわらかいもの、という認識しかなかった気がします。
会の実施方法としては、私の前職(第一回コラム参照)の輸入会社から、フランス直輸入(しかも高級料理店用ですからハイクオリティ)のホワイトアスパラを仕入れ、静岡のレストランにみんなで集まり、シェフに調理してもらう、という流れです。今考えると、レストランにはすごく強引でとんでもないことをしました!
とても太くて立派なホワイトアスパラ、歯ごたえがよく甘みがあって、1本で十分オードブルになる存在感のあるもの、召し上がった皆さんが「こんなアスパラは初めて」と味わってくださいました。

なんて立派なホワイトアスパラ!
資料を作ったりメニュー表を作るのは私。やはりおいしいものを食べることで、印象に残り、楽しさもあり、フランスの文化を知ってもらえるのだと感じました。会は好評、最初は苦労して人集めをしていましたが、つづいての「メインの会」からは大盛況でたくさんの方が来てくれました。メインの会のテーマは「ブレスの鶏(世界最高級と言われるフランスの鶏)」、別会場では「ラパン(うさぎ)の会」。うさぎ肉は怖いもの見たさで参加する方が多かったのですが、フランスではよく食べられる食材です。鶏肉に似た味わいなので、実際に食べてみると抵抗なく美味しくいただけたようでした。

うさぎ肉の料理。あっさりとした味ながら、しっとりとした食感
「チーズの会」では、たくさんのチーズをテーブルいっぱいにならべ、説明をしながら食べていただきました。お店の好意で、チーズを使ったお料理もいただけたり。先ほども言いましたが、当時はまだ今のようにチーズも少なかったんですよ。でも、食べたことのないものを、これでもかと取り寄せました。もちろん、ワインも一緒に!

たっぷりのチーズをいただきます
「デザートの会」ではフランス人パティシエに来ていただき、デザートのフルコースをいただきました。あまり日本人になじみのない『ルバーブ』を使ったケーキもありました。また、コーヒー屋さんも参加してくださり、美味しいコーヒーとのコラボでますますお得な会でした。

ルバーブは、ヨーロッパではメジャーな食材
調子に乗って、秋には「きのこの会」も開催。フレッシュなきのこを数種類フランスから取り寄せ、絶対に生で見たことのないようなきのこをまず説明、鑑賞し、香りをかいで、そのあと調理していただきました。シェフも一緒になって研究してくれて、おいしいキノコのパイを焼いてくださいました!

シェフ渾身の、キノコパイ!
うーん、今考えると面白いことやってたな、、終わった時もに「次はいつ?」と聞かれたものでした。でも、もちろん利益もないですよ、お土産も用意したり、赤字だったくらい。でもこうしたイベントを通して、たくさんの出会いもあり、エクラタンを知っていただくきっかけになりました。


おかげさまで、「ムニュの会」は大盛況に
そう特別なことをやっているとは思わなかったのですが、いろいろな方が声をかけてくれました。まずは読者の一人の女性。年上の女性です。
エクラタンに掲載していたe-mail に連絡をくださいました。「読みました、素敵ですね!私にお手伝いさせてください」って。早速会いに行くと、とても笑顔のかわいらしい方でした。建築の道に進むための勉強中ということでした。彼女はフランスに行ったことがなかったのですが、配布のお手伝いや、得意な映画の記事を書いてくれました。私がひとりでやっている中で辛かったこと、嬉しかったことを話せる相手ができたことに感謝しました。もちろん彼女には報酬など払えませんでしたが、彼女もそれを承知でご連絡いただきましたし、本当に心から支援してくれました。
もうひとつは、静岡日仏協会との出会いです。実は、東京から静岡に来てすぐ、「静岡日仏協会」の存在と活動を調べたのですが、静岡大学の教授の先生方が中心で、それほどたくさんの活動をしている様子がなくがっかりしました(それが自分でエクラタンをやるひとつのきっかけにもなったのですが)。エクラタン創刊号が、静岡日仏協会事務局長の目に留まり、連絡をくださったのです。お会いして、お互いがフランスを通じて同じ方向性を持っていると感じ、協力して活動していきませんか、というお話をいただきました。もちろん喜んでお受けしました。エクラタンを手にし、事務局長に紹介してくれた方にも、この出会いを感謝しています。
さて、先ほども書いたように、静岡日仏協会はあまり民間で目立った活動はありませんでした。公民館で長年行われている仏語講座くらい。そこで、私は、フランス語をはじめとする知識の部分は教授の先生方にお任せをし、私はエクラタンを通じてより街の人に私たちの活動を知ってもらえるよう、いわゆるソフトな面を担当していこうと決めました。
そして、静岡日仏協会は新しく会員体制を整備して、新生静岡日仏協会としてスタートしました。私は得意なプロモーションの部分の強化に着手しました。フランスといえば誰もが憧れるオシャレな国です。そのイメージを最大限に使い、静岡日仏協会もオシャレに格上げしていきました。会報誌の制作や、チラシなどの制作を任せていただき、また、エクラタン紙面でも静岡日仏協会のアピールをしました。
薄っぺらい活動はいつか廃れると私は信じています。ですので、エクラタンにとって、静岡日仏協会と活動することで、自分のやりたいことに、より確実な文化基盤を作ることができ、また静岡日仏協会にとってもエクラタンと活動することにより、堅いイメージがより和らぎ、より広い範囲の方々に来てもらえるといったメリットがありました。すこし、この静岡にフランスの風がふいてくるかな?そんな期待を持ち始めました。
このように、創刊から間もなくの間で、たくさんの出会いをいただきました。
話は前後しますが、私はイベントを今までたくさん行ってきました。ムニュの会をはじめ、音楽、マルシェ、映画、料理教室、ワイン、季節行事のイベント、フランス語サロン・・・。あくまでも「フランス」をキーワードに。
実は私はあまり目立つことが好きではなく、人前にはなるべく立ちたくない人間なので(信じてもらえませんが)、なぜこういうイベントをやるのか、自分でも不思議です。そして毎回イベントは利益もなく、人集めも心配で体力的にも大変な作業なのですが、終わると「次は何しよう」と考え始めてしまうのです。不思議ですね。
さてさて、次回もお楽しみに!!
今日はもうひとつ簡単なフランス語。「元気?」というのはフランス語で「ça va?」といいます。「サヴァ?」という発音。
知り合いに会うと必ず、「Bonjour ,ça va?」と尋ねます。元気なら「Oui,ça va!」(ウィ、サヴァ)と返しましょう。相手にも「あなたも元気?」と聞くことをお忘れなく。フランス人には会話のキャッチボールを楽しむ文化があるのです。
あいさつの話題ついでに、、、
皆さん、フランスに旅行に行かれたことはありますか?
フランスでは、お店に入ったら「Bonjour」とお店の人に挨拶します。何も言わずに入ってくる日本人は少し気味が悪いみたい。おシャレなお洋服屋さんだけでなく、たとえタバコ屋や郵便局、スーパーでも同じです。列に並んで自分の番が来たら、まず「Bonjour」と言いましょう。そして用が済んだら、「Merci!」(メルシー:ありがとう)「Au revoir!」 (オヴァー:さようなら)を忘れなく。日本ではスーパーのレジなどでは何も挨拶をしないのが普通でしょうね。私はこのフランスの挨拶の文化が大好きです。すごく人間らしいと思いませんか?(フランスのレジのおばさんはたいてい愛想がなくちょっとムっとしますけど…)
さて、前回は私のフランス留学について書かせていただきました。
私が静岡で『エクラタン』を創刊した話もさせていただきました。
今回は、エクラタン創刊号発行以降のお話です。
創刊して、読者さんから結構なリアクションがありました。
そんな中、実際に皆さんにお会いしたいなとも思うようになりました。
そこで、イベントを開催。『ムニュの会』と題し、フランスの珍しい、本場の食材を皆で食べようという企画をしました。フランス好きのお友達に手伝ってもらって。「ムニュ」とはフランス語でコースメニューのこと。簡単なコースでは、前菜、メイン、チーズ、デザートという順ですね。
第一回ムニュの会は、「前菜」の回。浜松と静岡で開催しました。季節が春だったので、フランスの春の様子を紹介しながら、ホワイトアスパラを食べました。今となっては国産でもホワイトアスパラが出回っていますが、当時(10年前)はまだ、ホワイトアスパラといえば缶詰の細くてやわらかいもの、という認識しかなかった気がします。
会の実施方法としては、私の前職(第一回コラム参照)の輸入会社から、フランス直輸入(しかも高級料理店用ですからハイクオリティ)のホワイトアスパラを仕入れ、静岡のレストランにみんなで集まり、シェフに調理してもらう、という流れです。今考えると、レストランにはすごく強引でとんでもないことをしました!
とても太くて立派なホワイトアスパラ、歯ごたえがよく甘みがあって、1本で十分オードブルになる存在感のあるもの、召し上がった皆さんが「こんなアスパラは初めて」と味わってくださいました。

なんて立派なホワイトアスパラ!
資料を作ったりメニュー表を作るのは私。やはりおいしいものを食べることで、印象に残り、楽しさもあり、フランスの文化を知ってもらえるのだと感じました。会は好評、最初は苦労して人集めをしていましたが、つづいての「メインの会」からは大盛況でたくさんの方が来てくれました。メインの会のテーマは「ブレスの鶏(世界最高級と言われるフランスの鶏)」、別会場では「ラパン(うさぎ)の会」。うさぎ肉は怖いもの見たさで参加する方が多かったのですが、フランスではよく食べられる食材です。鶏肉に似た味わいなので、実際に食べてみると抵抗なく美味しくいただけたようでした。
うさぎ肉の料理。あっさりとした味ながら、しっとりとした食感
「チーズの会」では、たくさんのチーズをテーブルいっぱいにならべ、説明をしながら食べていただきました。お店の好意で、チーズを使ったお料理もいただけたり。先ほども言いましたが、当時はまだ今のようにチーズも少なかったんですよ。でも、食べたことのないものを、これでもかと取り寄せました。もちろん、ワインも一緒に!
たっぷりのチーズをいただきます
「デザートの会」ではフランス人パティシエに来ていただき、デザートのフルコースをいただきました。あまり日本人になじみのない『ルバーブ』を使ったケーキもありました。また、コーヒー屋さんも参加してくださり、美味しいコーヒーとのコラボでますますお得な会でした。
ルバーブは、ヨーロッパではメジャーな食材
調子に乗って、秋には「きのこの会」も開催。フレッシュなきのこを数種類フランスから取り寄せ、絶対に生で見たことのないようなきのこをまず説明、鑑賞し、香りをかいで、そのあと調理していただきました。シェフも一緒になって研究してくれて、おいしいキノコのパイを焼いてくださいました!
シェフ渾身の、キノコパイ!
うーん、今考えると面白いことやってたな、、終わった時もに「次はいつ?」と聞かれたものでした。でも、もちろん利益もないですよ、お土産も用意したり、赤字だったくらい。でもこうしたイベントを通して、たくさんの出会いもあり、エクラタンを知っていただくきっかけになりました。
おかげさまで、「ムニュの会」は大盛況に
そう特別なことをやっているとは思わなかったのですが、いろいろな方が声をかけてくれました。まずは読者の一人の女性。年上の女性です。
エクラタンに掲載していたe-mail に連絡をくださいました。「読みました、素敵ですね!私にお手伝いさせてください」って。早速会いに行くと、とても笑顔のかわいらしい方でした。建築の道に進むための勉強中ということでした。彼女はフランスに行ったことがなかったのですが、配布のお手伝いや、得意な映画の記事を書いてくれました。私がひとりでやっている中で辛かったこと、嬉しかったことを話せる相手ができたことに感謝しました。もちろん彼女には報酬など払えませんでしたが、彼女もそれを承知でご連絡いただきましたし、本当に心から支援してくれました。
もうひとつは、静岡日仏協会との出会いです。実は、東京から静岡に来てすぐ、「静岡日仏協会」の存在と活動を調べたのですが、静岡大学の教授の先生方が中心で、それほどたくさんの活動をしている様子がなくがっかりしました(それが自分でエクラタンをやるひとつのきっかけにもなったのですが)。エクラタン創刊号が、静岡日仏協会事務局長の目に留まり、連絡をくださったのです。お会いして、お互いがフランスを通じて同じ方向性を持っていると感じ、協力して活動していきませんか、というお話をいただきました。もちろん喜んでお受けしました。エクラタンを手にし、事務局長に紹介してくれた方にも、この出会いを感謝しています。
さて、先ほども書いたように、静岡日仏協会はあまり民間で目立った活動はありませんでした。公民館で長年行われている仏語講座くらい。そこで、私は、フランス語をはじめとする知識の部分は教授の先生方にお任せをし、私はエクラタンを通じてより街の人に私たちの活動を知ってもらえるよう、いわゆるソフトな面を担当していこうと決めました。
そして、静岡日仏協会は新しく会員体制を整備して、新生静岡日仏協会としてスタートしました。私は得意なプロモーションの部分の強化に着手しました。フランスといえば誰もが憧れるオシャレな国です。そのイメージを最大限に使い、静岡日仏協会もオシャレに格上げしていきました。会報誌の制作や、チラシなどの制作を任せていただき、また、エクラタン紙面でも静岡日仏協会のアピールをしました。
薄っぺらい活動はいつか廃れると私は信じています。ですので、エクラタンにとって、静岡日仏協会と活動することで、自分のやりたいことに、より確実な文化基盤を作ることができ、また静岡日仏協会にとってもエクラタンと活動することにより、堅いイメージがより和らぎ、より広い範囲の方々に来てもらえるといったメリットがありました。すこし、この静岡にフランスの風がふいてくるかな?そんな期待を持ち始めました。
このように、創刊から間もなくの間で、たくさんの出会いをいただきました。
話は前後しますが、私はイベントを今までたくさん行ってきました。ムニュの会をはじめ、音楽、マルシェ、映画、料理教室、ワイン、季節行事のイベント、フランス語サロン・・・。あくまでも「フランス」をキーワードに。
実は私はあまり目立つことが好きではなく、人前にはなるべく立ちたくない人間なので(信じてもらえませんが)、なぜこういうイベントをやるのか、自分でも不思議です。そして毎回イベントは利益もなく、人集めも心配で体力的にも大変な作業なのですが、終わると「次は何しよう」と考え始めてしまうのです。不思議ですね。
さてさて、次回もお楽しみに!!
Posted by eしずおかコラム at 12:00