2012年11月06日
第8回 エクラタンから広がる出会いーエスパス・エクラタンの誕生 2
Bonjour!Ça va?
秋ですね! おいしいものがたくさん。スポーツにもよい季節です。断念したジョギングを再開しようかと・・・。旅行も楽しいですね。秋のフランスも風情があって良いですよ。ワインカーヴめぐりや、ロワールのお城など、しっとりと見て廻るのもおススメです。
さて、前回はエクラタンから広がる出会いについてお話しました。
いろいろな場所をちょこちょこ借りてのイベントなど行ってきましたが、やっと念願の自分たちのスペース「エスパス・エクラタン」を持つことができました。ずっと一緒に協力しあって活動している静岡日仏協会が新生から5年を迎え、エクラタンも7年目に突入した年。翌年は「もう一歩前進の年」であることが共通の思いでした。タイミングというものは重要です。私たち協会とエクラタンは、今までよりいっそう、お互いの良いところ、持っていないところを補いあって、スペースを運営していくことを決めました。金銭的な余裕はありませんが、その協力こそが私たちの最大の力になると、共に過ごしてきたこの数年で感じたのです。
そうなると、次は物件探しです。不動産を回って、いくつかの物件を見ました。余裕のない我々でも、交通の便が良いところ、多くの人数が入れる広さ、その2つが最低の条件でした。それを兼ね備えたのが、相生町のこのスペースでした。紹介いただいたのが、ビル4階の物件。明るく開放的で、何より広さがちょうど良く、すぐに気に入りました。階段のみで不便ではあるけれど(ある意味フランス風と割り切って=フランスはエレベーターのない物件が多いんです!)、私たちには贅沢すぎるスペースでした。しかも、周りはかわいらしいショップやカフェで注目されている鷹匠エリアです。
引っ越しや家具の調達も面白いエピソードがありました。何件もまわって見つけた机10脚すべてが不良品という洗礼を受け、4階まで重い机の運び込みと返品の大変さは思い出しただけで疲れが蘇ります。ソファやテーブルなどの家具類は、必死になって値切り交渉をし、店員さんについ笑われてしまったことを思い出します(これもフランス式?)。フランス語講座用の場所と、私のワークスペースの取り合いは息を飲む重要な交渉戦でした。バンダナを巻き作業してくださった事務局長の姿は一生忘れません。まさかブリコラージュ(日用大工=フランスでは家を自分で改築したり家具を作ったりすることをブリコラージュといい、とても一般的に行われています)がご趣味とは知らなかった稲田会長は、他の先生と一緒に素晴らしいカウンターテーブルを作ってくださいました。こうして少しずつ、手作りのスペースが出来上がっていきました。
初めてのお披露目の際は、フランス大使館から参事官の方がお越しくださり講演会を行いました。その後はパーティ。各自持ち寄りのパーティでしたが、朝からフランス人の先生も巻き込んでサンドウィッチを大量に作りました。塩谷前会長がご持参くださったイカを新しい家具でいっぱいのエスパス内で焼いた(!)のは正直ハラハラしましたが、それを上回る美味しさでした。その後2週間は部屋の匂いが取れなかったのは、今では良い思い出です。

その年に、料理研究家の大森由紀子さんをお呼びして、フランスの地方菓子のお話をしていただきました。本当にたくさんの方にお集まりいただきました。講演会の後は、大森さんのレシピで、鈴木学園製菓学科の先生と生徒さんに作っていただいたリムーザンのお菓子を皆さんで食べました。協会の会員さんや、お菓子に興味のある一般の方、エクラタンの読者の皆さんが多く集まった、とてもサンパ(=感じのよい)な1日でした。

その他、マクロビオティックのランチ会や、ワインのセミナー、毎月のサロン、シネクラブ(映画の会)と、私たちの活動すべてをこのエスパスで行うことができるようになりました。
夏休みには、週末2日間の旅行会話の集中講座があり、スペースを利用して、カフェでの注文や買い物のシミュレーションなど、ダイナミックな授業を行ったことが画期的でした。また「journée francophone」と題して「フランス語だけで過ごす1日」を開催しました。日本人参加者を上回るフランス人が集まってくれ、そこはまさにフランスでした。日本語解禁になったあとのワインはとても美味しかったです。

夏休みが過ぎて秋からは、エスパスでも長期講座が始まりました。料理用語を専門とした「美味しいフランス語」や、「星の王子様」の講読、会話の講座など。すると、こういう講座はないですか? といったお問合せのお電話もよくいただくようになり、静岡で唯一のフランス語専門スクールであるという注目度を感じました。そのうちに、一番要望の多かった昼間の初心者用講座を開催するようになり、今では開講からずっと、2年以上通われている生徒さんたちでいっぱいです。
毎年恒例のパリ祭、ボジョレー・ヌーヴォーパーティ、ノエルパーティも、もちろんエスパスで。皆さん飲む量が半端ではないので、飲み物の準備も力が入ります。ボジョレーでは、チーズフォンデュをやりました。ノエルでは、クスクスとニョッキを。またまた、偶然エスパスにいる人たちを巻き込んで、ニョッキをこねたり丸めたり。それはもちろん、最高のお味でした!
その他語りきれないほどたくさんのことがあったエスパス・エクラタンでの最初の1年。やはり独自の場所を持つ強みというのは大きな変化でした。今まで皆が集れる場所がありませんでしたが、今はここに来れば誰か知った顔がいる、フランスを感じられる、時にフランス語が自然と飛び交っている。そして、場所を持っていることで、多方面からお客様を受け入れることができ、アイデアが生まれ、幅広い活動へとつながっていきました。
4階までがんばって階段をのぼってきてくれる皆さんが、楽しみ、学び、何かを得、落ち着ける。そんな空間を、これからも作っていきたいと思います。

Merci et à bientôt!
秋ですね! おいしいものがたくさん。スポーツにもよい季節です。断念したジョギングを再開しようかと・・・。旅行も楽しいですね。秋のフランスも風情があって良いですよ。ワインカーヴめぐりや、ロワールのお城など、しっとりと見て廻るのもおススメです。
さて、前回はエクラタンから広がる出会いについてお話しました。
いろいろな場所をちょこちょこ借りてのイベントなど行ってきましたが、やっと念願の自分たちのスペース「エスパス・エクラタン」を持つことができました。ずっと一緒に協力しあって活動している静岡日仏協会が新生から5年を迎え、エクラタンも7年目に突入した年。翌年は「もう一歩前進の年」であることが共通の思いでした。タイミングというものは重要です。私たち協会とエクラタンは、今までよりいっそう、お互いの良いところ、持っていないところを補いあって、スペースを運営していくことを決めました。金銭的な余裕はありませんが、その協力こそが私たちの最大の力になると、共に過ごしてきたこの数年で感じたのです。
そうなると、次は物件探しです。不動産を回って、いくつかの物件を見ました。余裕のない我々でも、交通の便が良いところ、多くの人数が入れる広さ、その2つが最低の条件でした。それを兼ね備えたのが、相生町のこのスペースでした。紹介いただいたのが、ビル4階の物件。明るく開放的で、何より広さがちょうど良く、すぐに気に入りました。階段のみで不便ではあるけれど(ある意味フランス風と割り切って=フランスはエレベーターのない物件が多いんです!)、私たちには贅沢すぎるスペースでした。しかも、周りはかわいらしいショップやカフェで注目されている鷹匠エリアです。
引っ越しや家具の調達も面白いエピソードがありました。何件もまわって見つけた机10脚すべてが不良品という洗礼を受け、4階まで重い机の運び込みと返品の大変さは思い出しただけで疲れが蘇ります。ソファやテーブルなどの家具類は、必死になって値切り交渉をし、店員さんについ笑われてしまったことを思い出します(これもフランス式?)。フランス語講座用の場所と、私のワークスペースの取り合いは息を飲む重要な交渉戦でした。バンダナを巻き作業してくださった事務局長の姿は一生忘れません。まさかブリコラージュ(日用大工=フランスでは家を自分で改築したり家具を作ったりすることをブリコラージュといい、とても一般的に行われています)がご趣味とは知らなかった稲田会長は、他の先生と一緒に素晴らしいカウンターテーブルを作ってくださいました。こうして少しずつ、手作りのスペースが出来上がっていきました。
初めてのお披露目の際は、フランス大使館から参事官の方がお越しくださり講演会を行いました。その後はパーティ。各自持ち寄りのパーティでしたが、朝からフランス人の先生も巻き込んでサンドウィッチを大量に作りました。塩谷前会長がご持参くださったイカを新しい家具でいっぱいのエスパス内で焼いた(!)のは正直ハラハラしましたが、それを上回る美味しさでした。その後2週間は部屋の匂いが取れなかったのは、今では良い思い出です。

その年に、料理研究家の大森由紀子さんをお呼びして、フランスの地方菓子のお話をしていただきました。本当にたくさんの方にお集まりいただきました。講演会の後は、大森さんのレシピで、鈴木学園製菓学科の先生と生徒さんに作っていただいたリムーザンのお菓子を皆さんで食べました。協会の会員さんや、お菓子に興味のある一般の方、エクラタンの読者の皆さんが多く集まった、とてもサンパ(=感じのよい)な1日でした。

その他、マクロビオティックのランチ会や、ワインのセミナー、毎月のサロン、シネクラブ(映画の会)と、私たちの活動すべてをこのエスパスで行うことができるようになりました。
夏休みには、週末2日間の旅行会話の集中講座があり、スペースを利用して、カフェでの注文や買い物のシミュレーションなど、ダイナミックな授業を行ったことが画期的でした。また「journée francophone」と題して「フランス語だけで過ごす1日」を開催しました。日本人参加者を上回るフランス人が集まってくれ、そこはまさにフランスでした。日本語解禁になったあとのワインはとても美味しかったです。

夏休みが過ぎて秋からは、エスパスでも長期講座が始まりました。料理用語を専門とした「美味しいフランス語」や、「星の王子様」の講読、会話の講座など。すると、こういう講座はないですか? といったお問合せのお電話もよくいただくようになり、静岡で唯一のフランス語専門スクールであるという注目度を感じました。そのうちに、一番要望の多かった昼間の初心者用講座を開催するようになり、今では開講からずっと、2年以上通われている生徒さんたちでいっぱいです。
毎年恒例のパリ祭、ボジョレー・ヌーヴォーパーティ、ノエルパーティも、もちろんエスパスで。皆さん飲む量が半端ではないので、飲み物の準備も力が入ります。ボジョレーでは、チーズフォンデュをやりました。ノエルでは、クスクスとニョッキを。またまた、偶然エスパスにいる人たちを巻き込んで、ニョッキをこねたり丸めたり。それはもちろん、最高のお味でした!
その他語りきれないほどたくさんのことがあったエスパス・エクラタンでの最初の1年。やはり独自の場所を持つ強みというのは大きな変化でした。今まで皆が集れる場所がありませんでしたが、今はここに来れば誰か知った顔がいる、フランスを感じられる、時にフランス語が自然と飛び交っている。そして、場所を持っていることで、多方面からお客様を受け入れることができ、アイデアが生まれ、幅広い活動へとつながっていきました。
4階までがんばって階段をのぼってきてくれる皆さんが、楽しみ、学び、何かを得、落ち着ける。そんな空間を、これからも作っていきたいと思います。

Merci et à bientôt!
Posted by eしずおかコラム at 12:00